2009年3月アーカイブ

ナオエのドンキー日記 2009 3月#3

3月31日
 8時起き、見知らぬ漢字の看板が印象的なへんな芝居小屋の夢をみた。古本とカフカ的な何か、ここ数日の記憶の混乱。目覚めれば煙のように消えてゆく。夢は夢としてよくできている。がっつり朝食。実家のテレビは朝から時代劇チャンネル。今日はディスク・ユニオン特典の企画で、また下北沢。自動販売機で酸っぱいドリンク買って飲み干したところで向こうから本秀康くん登場。ふたりでレコード掘り。売り場の雰囲気に馴れるまで時間がかかる。苦戦しつつもなんとかレコード11枚買って取材。担当は妖精の村のIくん。喫茶店へ向かうとその外で電話中のケラとばったり。「このたびはおめでとう」と告げる。おれたちが行こうとしていた店はケラが原稿を書いている店だった。一緒に階段を上り、店内へ。ケラに「昔のカセット作品どうするの?」と聞かれる。そういえばおれのソロ・カセット音源を彼が気に入ってて「ソノシート5枚組とかでナゴムから出そうよ」なんて25年前に言われていたっけなぁ。恥ずかしくてもはや出せないかもなぁ。そこは異様に静かな居心地の良い店だった。おれたちの取材の声がうるさくて仕事中のケラに迷惑かけたかもしれない。昼からはじめたのにもう外は暗い。そのまま飲み。途中、フラッシュ・ディスク・ランチに入ったらJohn Fahey『The Voice of the Turtle』のオリジナル盤(ブックレットが素晴らしい)見つけちゃって、また買う。飲んで飯食って重たいレコードかついで歩く。渋谷駅の京王線から山手線内回りへの乗り換えはとてもきつい。酔いはとっくに醒めていたが眠い。実家で一時間寝てから高速。4月1日、2時。普段は静かな道も、今日はがさつな風体のトラックが恐ろしいほどに連なっている。遠くの敵を威圧するようなまるで無駄な余裕のない走り。道を走れば景気や人の気の流れは露骨にわかる。おそらく相当よくないねこりゃ。最近の移動ポッドキャストは「サイエンス・サイトーク」。脳みその違いか。前例のない仕事をする科学者、技術者、作家たちの話はおしなべておっとり。また、その受け答えにおいては、迷いの無い的確な言葉がズバっとかえってくる。筋の組み立て方がうまいんだなぁ。
今日はFZが夢に出て来ておれのギターを褒めてくれたところで目が醒めた。携帯のメモに忘れずそのことを書いてまた寝る。

 

3月30日
 大井町の牛友チェーンのジャンクなカレーが食いたくなったので迷わずGO!今は牛八という名で相変わらず狭く細い店で営業中。やはり独特な味でうまい。辛口の中盛りとサラダ。大井町~自由が丘~渋谷。山手線に乗るよりも、この遠回りのコースが好きだ。今日は取材日。ミュージック・シェルフを終え、タワレコでディラン『ブロンド・オン・ブロンド』のBlu-specCDを購入。このアルバムはたして何枚もっているのだろうか...。下北沢へ移動。Quipとナタリーも濃い内容。早いうちからゆるずとスタッフと下北沢を飲み歩く。年齢的にもそろそろ節目。早めに煙草は止めようと考える。珍しく終電前に移動。2時に寝て8時起き、みたいな。ここにきて突然、早寝早起きになっちまった。

3月29日
 今日もほぼ寝ずに朝7時半起き。Sおじさんの一周忌法要で両親と奥戸へ。晴天。35年ぶりのおじさんの家。この辺りは昔は畑だらけだった。中川の土手が懐かしい。泊まりに来ると自転車の後ろにのせてもらって銭湯に行ったっけなぁ。真っ昼間からビール三杯。総武線に乗ってお茶の水。ディスク・ユニオンで大山甲日さんとのトーク。喫茶店での打ち合せ時、大山さんが今書かれている本の話を聞く。その熱情にいたく感激、言葉がない。あの『大ザッパ論』だって何十年分の仕事の集積。読み込むにもそれなりの時間はかけなきゃ。さて、お客さんたくさん集まっていただき心より感謝。とても貴重な時間だった。大山さんの生の話を聞けてザッパ・ファンのみなさんはうれしかったはず。ドゥイージル・ザッパのライヴは来週。心底楽しいので是非行くべき。終ってスタッフと飯。飲み。そして高円寺「コクテイル」へ岡崎武志さんに会いに。
BGM : Frank Zappa『Bongo Fury』

3月28日
 宮尾しげを「孫悟空」(講談社漫画文庫)が届く。生まれてはじめて手にした漫画は謎の「孫悟空」の本だった。それが杉浦茂の『西遊記』だったのか、もしくは手塚だったのかはわからない。おれは昭和34年生まれで、つまり2歳とか3歳の頃にそれを毎日のように眺めていたわけだから、自分で選んだのではなくておそらくだれかから譲り受けた本だったはず。後に小屋に押し込められ雨ざらしになったが、光文社カッパブックスの『鉄腕アトム』や『鉄人28号』共々ぼろぼろになって一緒に捨てられた(うち何冊かは保護してある)。記憶の果てにはバーンと岩から飛び出す猿の幻だけが残っている。宮尾しげをという可能性はどうなのかと、今回、その復刻本を購入。見覚えのある場面もあるんだけれど...どうかな。でも絵心があってとてもかわいい作品だ。おれがファンクラブの会報で漫画(「やめておくれ劇場 ゆるずくん」)を描く時の変な建物や空虚な地平線の風景がよく似ているのでそこはびっくりしたが、しかし記憶が遠すぎて謎は謎のまま。やっぱりSFの基本はこれだよなと、久しぶりに弓館小鰐『西遊記』(改造社)もぱらっと。それはやたらとユーモアがあって、キレのいい文章なのだ。

ナオエのドンキー日記 2009 3月#2

 こんにちは。代々木にお越し下さったみなさん、盛り上げてくれてどうもありがとうね。今年もがんばりますよー。さて、本日29日(日曜日)。御茶ノ水のディスク・ユニオンで「ZAPPA PLAYS ZAPPA」再来日公演記念のイヴェントに出ます。偉大なる「大ザッパ論」の著者、大山甲日さんとのトークです。もしお時間ありましたら是非よろしく。


3月24日
 ほとんど寝ずにWBC。最後に出てきたダルビッシュは謎だが、あれはリンゴの代わりにポールがドラムスを叩くようなものとして受け取った。まぁ、さすがに見応えはあった。韓国の選手はみな泥臭く良い顔してる。ドゥイージル・ザッパ「ZAPPA PLAYS ZAPPA」再来日記念のフランク・ザッパ関連イヴェントが週末にあるので、近作を聴き込み中。スティーヴ・ヴァイがおれよりひとつ年下だったとは...。これ今年一番のショック。
BGM : Frank Zappa 『Imaginary Diseases』

3月22日
 昨日はマッサージ。「星のゆりかご」飲んで睡眠もそこそことれた。
実家の朝飯すごすぎ。摂取カロリーは菓子パン10個分どころのさわぎではない(おかげでライヴ後まで食わずにいられたが)。14時に代々木入り。Zher the Zoo YOYOGI。はじめてのハコなので音決めは慎重になる。試行錯誤してきたギター・アンプのセッティングも改良。いい感じ。札止めの満員御礼。どこにもないロック・トリオ、2009年のはじまり。美容院のMさん、Nさん来訪、髪の毛をくしゃっとセットしてもらって気を整えて本番。ドラムス中原さんは曲の解釈と吸収力がとにかくすごかった。この日の心のテーマはXTCとジミヘンの1枚目。ほんと久しぶりの「頭の中の傷」「ウォーク・オン」「Hello, Hello」「愛のさざなみ」「夜の煙突」などはその気持ちの反映。「Sweet Baby」や「市民プール」もこうしてバンドでやるのは10年ぶり。「春の風が吹き荒れているよ」も限定商品にてタイムリー。終演後、お客さんがBGMの「ジェイソン」にあわせて歌いはじめゴウゴウと盛り上がる、こりゃ出ていってもう1曲やるかと予定外の「テレフォン・ガール」。これもトリオならではの新解釈となる。ひび割れたいいロック感に包まれた日。気持ちよかった。さぁ、来月はツアーだ。このままフェスにも出たいなぁ。学園祭だって呼ばれればどこへでも飛んでいくつもりなんだから、よろしく頼むぜ。打ち上げは4時まで居残り、フカミマドカ氏、津田大介氏と熱い音楽トーク。安室ちゃんコンサートは無理してでも行くべき。

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3月19~21日
 初日は車。連休前で道路は混雑。西荻で激しいリハーサル。良い音のスタジオで毎回充実。階段で下りる地下室なので、というかおれたちじゃ危ないのでお店のスタッフさんが重いギター・アンプを運んでくださるのだが、片手でひょいと赤子を抱えるように持つ。なんて頼もしいんだ。ドラムスの中原さんは休憩のたびに菓子パン。西池、佐藤両氏もそうだったがタマコウォルズの方々は菓子パンがお好きなようだ。おれなどはあの量に見合わぬ高カロリーがもうさすがに怖い。若いってすばらしい。今回も新ネタのオンパレードで必死の作業。2日目の夜にはフカミマドカ氏ともろもろミーティング。最終の山手線が不通。代々木駅の乗り換えホームで寒風に凍える。疲弊してさすがに大井町からタクシーに乗る。実家で寝て酔いをさまして高速。朝8時の三郷橋、今度は1キロほどの大渋滞。江戸川を渡るのに2時間かかった。春分の日、つまりお彼岸の時期は車に乗るべきじゃない。

 

ナオエのドンキー日記 2009 3月#1

 こりゃまた大変長い間ごぶさたいたしました。『ドンキー日記』移転&リニューアルです。昨年からの日記が溜まっていたのでずらっと長くなっています。ご意見やご感想はcarnation-webのFeedbackにある送信フォームをご利用ください。さて、3月22日。カーネーションのライヴ初めは代々木。ぶちかましますよ。がつんがつんに。そして失禁。今年もどうぞ永遠によろしく。あとマキシ「ジェイソン」(本秀康くんイラスト!)の発売は4月15日。とにかく手にとって、見て、聴いて、想像力全開で泡吹いてしばらくぶっ倒れていなさい。ツアーもお楽しみに。




3月15日

 ギターを持たずに歌詞を読む。そうしないと練習にならない曲もある。自分の過去の作品には普段めったに触れないけれど、たまに見直すと「へぇ〜」っと笑ったり。今読んで挑戦的だなと思ったのは『ブービー』収録「アポロ」の歌詞だな。夜中に思い立ってWBCをちょこちょこ眺めつつ領収書を仕分け、整理。あとは計算だけ。試合の終盤に川崎が代打で出て来た。集中したとてもいい表情をしていた。

 

3月14日

 柏のディスク・ユニオンでジャケの素晴らしいソニック・ユース「Little Trouble Girl」と「Dirty Boots」にプライマルの12インチ計3枚。あとコステロの7インチ「Tokyo Storm Warning」とスティーヴ・ミラー・バンド『アブラカダブラ』の帯付きLP、買いのがしていたムーギー・クリングマンの未発表曲集CD。割引のさらに割引で目が飛び出るほど安かった。今度、バンブルビーから出るParCodaN『FRESH ParCodaN』(2枚組)の奇想天外のコラージュ音楽はところどころ妙に癖になる。ぽわ〜ん&トゥ・マッチな面白い音を探している人は必聴だろう。http://www.bumblebeerecords.net/disk/parcodan.html

BGM : ParCodaN『FRESH ParCodaN』


3月13日

 夜中にコメントを書いて送信。代々木の選曲はほぼ決まるが、中原さんとユルズに電話して候補曲をさらにさぐる。曲作りも。


3月12日

 スーパーで野菜かき揚げ天とここ3年近く愛用している無添加のシャンプー&トリートメントを買う。うわぁ、地味...。


3月11日

 晴れ。この日を待っていた。予定日が悪天候続きで流れに流れた「ジェイソン」PVの撮影で川崎。美しい空。現場のみんなが笑っている。撮影しながら心底リフレッシュしている。来週の仕上がりが楽しみだ。実家で3時間ほど爆睡してから高速。車ではあいかわらずポッドキャストを聴く。伊集院光、大竹まこと等。AMラジオのノリっていいなとつくづく思う。月末のイヴェントに向けてザッパについても考えたり。やることが多すぎて頭はふよふよ。

 

 

3月8日

 美容院でカラー。


3月7日

 新横浜のラーメン博物館で博多ふくちゃんラーメン。旨い。で、なんで新横浜かというと、奇跡的にチケットがとれた安室奈美恵の横浜アリーナ公演だから。プロ根性に圧倒される。2時間半30曲くらいやったのか?完璧なエンターテイメント。それもMCは最後のメンバー紹介以外なし!


Profile

直枝政広
カーネーションのバンマス

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New Release


New Maxi Single 『ジェイソン』
2009.4.15 release


『宇宙の柳、たましいの下着』
直枝 政広


『HOPKINS CREEK』
直枝 政広