2009年9月アーカイブ

ナオエのドンキー日記 2009 9月 #2

9月30日
 マッサージそして新たに作詞を仕上げる。すかさずコロムビア再発用のHome Demoのリミックス作業の続き。歌とベーシックのタイミング合わせ等が必要なマスター・テープもあり、なかなかにハード・ワーク。

9月29日
 札幌イヴェントに向けリハ。アー写撮影。デザイナーK氏とジャケットの打ち合せ。

9月27日
 作詞と歌入れを終え、お昼前にファイル送信。寝ずに美容院。気合いを込めて大きなハンバーガーを食す。夜、暗いうちに爆睡。

9月26日
 マッサージの帰りにはじめて寄ったリサイクル屋で深町純『サージェント・ペパーズ』のLP(見本盤)を200円で掘り出す。店員はトルコ系か。

9月23日
 吉祥寺マンダラ2で図書館のCD発売記念ライヴを拝見する。心のこもった素晴らしい演奏で、こちらはのんびりとビールをいただきつつ、古典の風格がありつつもどこかシュールな、そんな風景画を観ているような気分になった。大好きだ。宮崎貴士くんとはじめてお会いし、それもいきなりビートルズの話となる。

9月22日
 マッサージ後に渋谷のクラウンでカーネーションのリマスター。毎度、六本木通り沿いの上り坂はなかなかしびれる。今日は『Love Sculpture』『Wacky Packages』。元々、音質がこもり気味だったワッキーなどもすっかり極上のヌケの良い音質に激変。リズムの切れがますます強力に。今日で2009年度リマスター(本編)作業は終了。別物と思えるすばらしいシリーズだ。スタジオで某打ち合せ。高橋健太郎氏と久しぶりにお話。飯屋で適度にとんかつ食って電車で気絶。

9月21日
 手持ちのTASCAM488は故障、さらにオークションで買い直した中古品も不良(修理に出す)ゆえ、今回は友人宮原清くんの愛機をお借りした。カセットはやっぱり最高の音がする。リマスター盤用にHome Demoをリミックスしたり、新曲の歌入れも終える。

9月20日
 人づてに聞いたんだけど、先日のレコーディング時、ソウル・フラワー・ユニオンの奥野くんにライヴ盤『Live at TOKYO KINEMA CLUB』をプレゼントしたところ、ヘビロ中だという。「ロック」が何たるかをわかってる奴はいるんだな。あれはファン向けの地下リリースだし一般的な評価がないだけに、こうやって伝わる話は特にうれしい。
 おじいさんが居眠りしているリサイクル屋でVHSを格安で何本か。小津『浮草物語』や長門勇主演の『駆逐艦雪風』など。

9月19日
 夜中に柏のファミレスで耳鼻のギタリスト秋山と会う。おれは彼がデザインした靴を何足か愛用している。修理で預けていた靴が一年以上たって戻ってきた。もうひとつ素晴らしいブーツをいただく。

9月16~17日
 バンブルビーから出る狩野幸子のデヴュー盤『Skyline77』(Prd:上田健司)が届く。これはデヴュー盤にして5枚組(しかも3.000円)!という夢のような最高のポップ作品。いい曲ばかりの77曲!心あるリスナーたちに絶対におすすめ。聴け!
 さて、コロムビア期再発アルバムのマスタリング。今回は『a Beautiful Day』『Girl Friend Army』『booby』『Parakeet & Ghost』。どれもが音の抜けも立体感もバランスも数倍魅力的にマジカルに生まれ変わった。聴こえなかったものが聴こえてくる。2009年リマスター・シリーズは「別物」と言っておこう。11日分に書いたとおり『a Beautiful Day』はスタッフ以外、誰も聴いたことのなかった迫力あるオリジナル・アナログ・マスターを使用。面白くてまいった。いいアルバムだ。とにかく今回のシリーズは発売後初のリマスター盤。さすがのおれも逐一その音の違いに度肝抜かれたのだった。P-Vineの井上さんから『レコーディング・スタジオの伝説―20世紀の名曲が生まれた場所』をいただいた。我慢できずにさっそく読み始める。
 そういえば初日は渋谷警察署前の報道陣と人だかりに驚いたが、翌日は夜空にたくさんのヘリが飛んだ。物騒だな、何だ?と思ったらあれだったか...。

reissue1.jpg

 

9月15日
 いくら土星の試練だの水星逆行だの言っても、こんなに重いプレッシャーも珍しい。さすがのおれも、この何年か続いたまるで分厚い絨毯の下敷きになったかのような重圧に耐えきれなくなっている。もはや人としても限界なので思い立って40年ぶりに千倉へ息抜きに行く。たくさん海岸を歩いたら不思議と頭痛はどこかへ消えた。夕方に御飯処に飛び込み、刺身定食。アジが絶品だった。懐かしい思い出の場所へ戻ることもまさに逆行中ならではというわけだ。耳鼻のイヴェントもその旅の前ぶれであった。

9月14日
 ライヴ後は偏頭痛に大いに悩まされた。鎮痛剤飲んで13日から計23時間は寝たはず。さすがに楽になった。古着屋で気に入ったジャスト・サイズのレザー・ジャケットと帽子を購入。好きな買い物をするだけで疲れがとれることもある。マッサージ。お決まりの冷し豚しゃぶおろしうどんを食って、夜は千葉シティ。いとこのヤマジュンと恒例のドンキー散歩。中古CD4枚を拾っただけだが、ぱんぱんの頭は半分くらいからっぽになった。ドンキーでハンバーグを奢る。簡単な一人旅を脳内で計画。そのためにもiTunesに50歳記念に買ったディラン『フリーホイーリン』(Blu-Spec)をぶちこむ。ビートルズのボックスはまだ開けない。

9月12日
 7時間は寝る。雨模様だったが意地で傘は持たない。恵比寿リキッド・ルーム『Eternal September』。開場BGMは何故か70年代ディスコ。今日もエンジニアは宗くんチームで照明は馬場さん。確かに疲れはある。肩凝りで左の歯が浮き気味にて楽屋弁当はあまり食えず、代わりにチーズケーキを胃に。オワリカラのメンバーとSMA冨永くん来訪、しばし話し込む。冨永くん曰く「今日はこれからイヴェントでステージは観れないんだけど耳鼻BOXを買っていきます」。最強の雨男ナカガミくんが会場に到着「彼が入場した頃すごい雨が降り出しました」とサウンド・ファクトリーのSさんが笑う。彼にはお祓いをしろと言っているのだが...。平石くんもアコギのピックアップ配線工事を終えて来てくれた。Mさん来訪、髪の毛セット。大盛り上がりの一夜。まったく久しぶりのバンドだったにもかかわらずトリオ的な難曲「Paradise Express」も気持ちよく。「幻想列車」「Angel」「クエスチョンズ」「ジェイソン」等、こんな歌ものトリオ、世界のどこにもいねぇだろ文句あっか?な出来。好選曲のセットリストはこちら。アンコールは大サーヴィス「カネオ・ヘアー」で3曲。池ちゃんキーボードでスネオくんと一緒に「Edo River」「It's A Beautiful day」「夜の煙突」。スネオくんは不思議なキャラクターで見ていておかしくてたまらない。楽屋に宮原清一家も来訪。打ち上げ後、セイリン・シューズで高校同級生の山本豊一家となごむ。山本には「うまく休んでたまには頭をからっぽにしろ。切り替えには自然に触れるのが一番だぞ」と言われる。水のおいしさで静岡に住むことを決めたという彼の言葉は重い。まったくその通りだ。そういえば去年の今頃は宮城と岩手の平泉でリフレッシュしていたのだった。近くどこかへ行こう。プリファブ・スプラウトの新譜に仰天。ビートルズの最新リマスターのMONO BOXから『ホワイト・アルバム』も通しでかかった。


9月11日
 渋谷のクラウン社にてカーネーション、コロムビア期再発(この再発企画は『ガール・フレンド・アーミー』以降のディレクターだった秋元が担当)CD7枚のうち『Edo River』本編のマスタリング。もちろんオリジナル・アナログ・マスターを使用。マスタリング・エンジニアの間部さん曰く「アナログ・マスターは音の飛び出し方が全然違いますね」。発売から15年。その間のデジタル変換技術の差は歴然。まず音量は2倍。ベースのうねり、ホーンやストリングスの立体感も激増。全体に奥行きが出た。時間が余ったので『ア・ビューティフル・デイ』のDATマスターとアナログ・マスターを聴き比べる。旧盤は当時のエンジニア氏の志向から端正な音のDATマスターを使ったわけだが、幻のアナログ・マスターをかけた瞬間、スタジオにいた3人(秋元、間部、直枝)が黙って目をあわせてうなずきあった。圧倒的に音がぶっといのだ。もちろん今回はそのアナログ・マスター・テープを使用することに決まる。それぞれがボーナス曲満載の2枚組になるわけだし、素晴らしい再発になるだろう。夜中にNHK総合でビートルズの番組を観る。

9月8日~10日
 なんとか生活を正常に戻してリハ。ゆっくりと。やりすぎず。いいペースで。運転中に眠くなることが多く、道ばたで止めて1時間ほど寝るのがあたりまえになってしまった。ビートルズの輸入『in MONO』BOXと取り急ぎバラで買った輸入ステレオ盤『The Beatles(ホワイト・アルバム)』以降の5枚が到着(後に『Rubber Soul』から『Magical』までも購入)。

ナオエのドンキー日記 2009 9月 #1

 こんにちは!CARNATION Online Shop 開設しました。先日のロフト・プラスワンのイヴェントで先行発売された耳鼻咽喉科『偉大(はずかしく)なる2年 Anthology 1981-1983』BOXがついにここから購入できます。どうぞご利用ください。夢がぎっしりと詰まった大切な宝箱。だれも知らなかった80年代初頭のポップ・バンドの熱情、今聴くとずしりと来ます(一見、強面に映るでしょうが、ある意味、後のカーネーションより数段ポップな楽曲群です)。他のどこにも存在しないオリジナルでユニークな音楽を是非体験してみてください。今聴かないと絶対に損するよ~。この箱を部屋に置くと何故か邪気除けのお守りにもなるようですし(体験済)。特典CD付き。送料無料です。それから、もうすぐ12日の恵比寿リキッド・ルーム(with スネオヘアー)公演『Eternal September』の方も何卒よろしく。大いに盛り上がりましょう!


9月6日
 リポD飲んで歌入れ。朝方に1曲完成。まだまだ先は長い。これは修行だな。あまりに忙しすぎるんだ。ライヴに向けてスニーカーを買いに行きたいのだが...生活がこうも逆転しちゃうと、無理だろうなぁ。

9月5日
 一度起きて飯食ってまた夜まで寝る。結局13時間も眠った。品川の部屋の外は昔にくらべて緑も多くなり(単純に木が育った)、運河を超えて気持ちのいい風がさわさわと流れこんでくる。疲労にて金野くんに誘われていたライヴは行けず。懸念のビートルズのリマスター・ステレオ盤だが、考えた末にリアル・ステレオ時代をバラで追加予約。

9月4日「耳鼻咽喉科トークショウ@新宿ロフト・プラスワン」
 わかってはいたがほぼ眠れず...。肝心な日に寝不足というのはいつものこと。iPodでは先日歌入れした新曲の確認と今でもハマるデヴィッド・バーンの旧譜(名盤『Grown Backwards』)を。ふらふらのまま、昼過ぎに予約していた美容院へ。今後のスケジュールもタイトなので今のうちにカットしてパーマをかけておかないとならない。どう転んでも乙女座なのでサロンでは女性雑誌を中心に楽しむ。素晴らしいスピログラフの広告を見て眼が回ったのか寝る。薬局寄ってドリンク剤買って新宿に出て、懐かしい紀伊国屋書店地下のモンスナックでさらさらのポーク・カレー。その隣には昔、餃子会館というおいしい店もあったんだけどもうなかった。
 今日はロフトプラスワンにて耳鼻咽喉科のBOX発売記念イヴェント。耳鼻の歌姫、ミチラとは20年ぶりくらいに会った。リハで一緒に声出したとたん、正面でカメラを廻していたスタッフの「やばい!泣きそう」というつぶやきが聴こえた。さすがに息があう。先日、ミチラとは携帯電話ごしに少しだけ声をあわしたのだけど、瞬時に大丈夫なのはわかった。何も変わっていない。「あの頃の高いキーはもう出ないよなぁ」なんて話してはいたものの、実際やってみればふたりとも全然OK。ミチラの声はあいかわらず最高なのであった。トークは初期~中期のメンバーのうち徳永、秋山、丹羽、ミチラが参加、遅れて第2部からザチョーが合流。BOXにも入れていないレア選曲とDVD映像(さらには『ナゴムの黄金時代』の映像までも)楽しむ。
 ゲストで、当時、耳鼻を発見して後のカーネーションを世に送り出した偉大(いだい)なる預言者ケラリーノ・サンドロヴィッチ(ケラ)くんがこれまた当時のいい話を連発。耳鼻音楽の記憶担当、徳永の話も常に貴重でありがたかった。メンバーそれぞれがリラックスして挑んでくれて、とても楽しいイヴェントになった。話の流れでケラが「再結成とかないの?」と切り出してきたので「スケジュール的にも来年3月あたりに一度だけやりたいね、とは言ってて...」と返すと「3月5日、ロフト押えてるんだよ、その日やらない?」なんてことになって再結成ライヴがお客さんのいる前で即、決定。新宿ロフト出演は当時叶わなかったから「再結成ライヴやるならロフトだよね」なんて先日メンバーと話していたし、宿命を感じた。28年目にまたケラに引っ張られて世に出ることになった耳鼻咽喉科。一体この流れは何だろうか。イヴェントの締めの生演奏はメンバーに囲まれながらギターでミチラとおれのデュエット。「コバルト少年カフェ・ロング」「月世界紳士」「大森海岸よ永遠に」の3曲。いやぁ、ミチラに脱帽。すばらしい歌をありがとう!「大森海岸よ永遠に」の最後にあらためてメンバー紹介。泣かずに歌えてよかった。耳鼻咽喉科は今頃自分で言うのもなんだけど、とても良い。たくさんの人にこの奇跡のBOXセットを体験してもらいたい。



LIVE映像@YouTube



 

9月3日
 明日の資料作りと段取り。一日中、曲ファイルの取り込みと吐き出しの連続でひどく疲れた。夜中に品川へ移動。

9月2日
 泥のようになって眠った。ギターのダビング。送信。事務所に耳鼻咽喉科の豪華BOXセット『偉大(はずかしく)なる2年』がドサっと届いたとのこと。感無量。

9月1日
 歌入れ終えてから夜中に実家。生活が逆転中にてほぼ寝れず、昼過ぎに車でまず半蔵門。カレーのおいしい喫茶店で打ち合せ後『パイレーツ・ロック』(←公式サイト:音が出ますので注意)の試写会。とんでもなく面白いロック映画で最後は泣けて困った。心落ち着けるために喫茶店に入っても、思い出すたびに泣きそうになった。10月から公開だという。Duffyの書き下ろし名曲を含むサントラ盤も超期待。虎ノ門のコロムビアへ移動。宅配ピザをつまみつつ、とある作業で夜中まで。眠くなったので迷わずコンビニに飛び込み、ドリンク剤を飲んで運転。

Profile

直枝政広
カーネーションのバンマス

Archives

New Release


New Maxi Single 『ジェイソン』
2009.4.15 release


『宇宙の柳、たましいの下着』
直枝 政広


『HOPKINS CREEK』
直枝 政広