LIVE CARNATION 「LOUD AND BEAUTY -Venture Business Show Vol.3-」リリース!

カーネーションのトリオ編成初期の公演「LOUD AND BEAUTY -Venture Business Show Vol.3-」 のほぼ全曲分をリリースします。5人時代の曲をトリオで演奏しつつ、新曲の初お披露目もあり。アルバム『LIVING/LOVING』制作に突入した時期の貴重な公演です。ぜひお楽しみ下さい。

LIVE CARNATION:http://livecarnation.jp/
「LOUD AND BEAUTY -Venture Business Show Vol.3-」
2003.2.21 渋谷CLUB QUATTRO

■メンバー
直枝政広:Vocal,Guitar
大田譲:Bass, Chorus
矢部浩志:Drums

配信開始日:2014年9月25日(木) 

【キャンペーン期間/価格】
2014年9月25日(木) 12:00正午 ~ 2014年10月1日(水) 12:00正午まで
MP3版: 1,200円 ,FLAC/Apple Lossless版: 1,600円

※ 正規価格 MP3版1,600円 FLAC/Apple Lossless版2,000円


【商品トラックリスト】
01. My Little World
02. 放課後の屋上で
03. ハイウェイ・バス
04. It's a Beautiful Day
05. I WANT YOU
06. 摩天楼に雪が降る
07. 墨堤にて
08. やめておくれ
09. ウォーク・オン
10. レオナルド
11. 月の足跡が枯れた麦に沈み
12. ハイウェイ・ソング
13. MC #1
14. COCKA-DOODLE-DO
15. LEMON CREME~Interlude
16. FUNNY
17. GONG SHOW
18. MC #2
19. ぼうふら漂流族
20. MC #3
21. 愚か者、走る
22. MC #4
23. OOH! BABY

※全曲分ではありませんので、当日のセットリストとは若干異なります。ご了承下さい。

【直枝政広からのコメント】
 なぜトリオなのかというと、メンバーが二人抜けてしまったから、ただそのままやっていただけなのだが。だれかに「だったら他のメンバーを入れますか?」と問われて「いや、このままでいい」と言った覚えもある。そんな運命を受け入れた意地もあったし、一方でどこかヘソを曲げている自分もいたし、ただ、そのかわり絶対に売ってやろうという気持ちもあった。
 これは『LIVING / LOVING』前夜のライヴである。スタジオ録音はいつでもやっていて、しょっちゅう川越のスタジオに通っていた。そんな中で生まれた実験的なシリーズ物のミニ・アルバムの最終章『Venture Business Vol.3』が出るという時の渋谷クラブ・クアトロだった。なかなか肝心のアルバムが出せなかったことで多少のあせりもあった時期。何をどうしていいかはわからないままに、録音とリハーサルとライヴばかりをやっていた。おそらくレコード会社も事務所も含む現場全体が手探りの連続だった。とっても若いSMAのスタッフたちがまめに機材を運んでくれたり、ギターやアンプの選び方などを親身になって考えてくれたことを思い出す。
 じつはこの頃のリハーサルやライヴの記録は吐き気するほど大量にある。聴いてみたらどうなのか気にはなるが、恐いような気もどこかにある。このライヴのDATマスターはそんな秘蔵の記録物が詰め込まれたダンボールの中から発掘されたもののひとつだ。まだまだ手探りなトリオの演奏が初々しいのだが、ノイジーな熱量や所々に仕掛けたリフやアイデアがとても新鮮だ。この時期があったからこそ今のカーネーションがあるという証明にもなるだろう。ロック・バンドとしての筋肉はこの時期についたものだ。この2000年代にあの「GONG SHOW」のギター・ソロだ。カーネーションの爆音時代、その絶頂がここにある。後半で弦が切れてまったく音にならなくなっているが、その瞬間も含めて、これは史上もっともクレイジーな演奏と言えるものだ。こんなアホなことを真面目にやっていたバンドは他にはなかなかないだろう。ロックをやるなら普通もっと格好つけるだろうし。
 屈折気味なアティチュードではあったが、たくさんの試行錯誤を繰り返してなんとか成り立っていた。やればやるほどトリオでできる曲とできない曲があることがはっきりしたし、リフやリズム・アクセントのちょっとしたアレンジでトリオで演奏が可能になったり、曲が変貌することもわかった。矢部くんのタイトな演奏と、大田くんが弾き出すボトムスの迫力も聴きごたえがあるが、実際は余裕なんてどこにもなくて、とにかくなんとかしようという気持ちが伝わってくるとてもひりひりした瞬間をとらえている。当時の複雑な心境はストレートに凶暴なほどにラフな演奏となって表れた。そういった意味でも、現場で培ってようやくモノにした「OOH! BABY」はこの時期の演奏がおそらく最上のものだろう。
 まるでイギー&ストゥージズのようにノイジーなアンサンブルが特徴だが、過去の曲の取り上げ方もなかなかに面白く、「I WANT YOU」「月の足跡が枯れた麦に沈み」などは聴きもの。オープン・チューニングでスライド・ギターを弾いた「ハイウェイ・ソング」のオルタナティヴな空気もやけに新鮮に響いた。

直枝政広

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