アナログ盤『カーネーション sings はっぴいえんど EP』発売決定!

※本記事の最後に直枝政広による「アナログ盤を聴くにあたって」のテキストを追加いたしました。あわせてご一読いただけますよう、お願いいたします。

カーネーションの10thアルバム『LOVE SCULPTURE』(2000年リリース)発売20周年を記念して、同年に発売されたシングル盤CD、アナログ盤に収録のはっぴいえんどカヴァーが初の12インチ・アナログ化!本作のために録り下ろされた新録カヴァー「かくれんぼ」を追加収録!

カーネーション
sings はっぴいえんど EP
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発売日:2020年12月9日
(カーネーション 大阪&東京ツアー会場にて先行発売)
12" + Download Code(ダウンロードは1曲のみ)
Cosmic Sea Records / 日本コロムビア / JET SET
JS12S126
価格:2,600円+税

【トラックリスト】
SIDE A
1. 春よ来い
 (2000年リリースのシングルCD「恋するためにぼくは生まれてきたんだ」収録)
2. はいからはくち
(2000年リリースのアナログ盤「LOVE SCULPTURE Ⅱ」収録)

SIDE B
1. 抱きしめたい
(2000年リリースのアナログ盤「LOVE SCULPTURE Ⅱ」収録)
2. かくれんぼ
(2020年最新録音)

※新録「かくれんぼ」のダウンロードコード封入

直枝政広率いるロックバンド、カーネーションが2000年にリリースした傑作10thアルバム『LOVE SCLUPTURE』。アルバム発売前にリリースされたシングルCDやアナログ盤に収録され、現在は入手困難なトラックとなっているはっぴいえんどカヴァー「春よ来い」、「はいからはくち」、「抱きしめたい」の3曲に、新録カヴァー「かくれんぼ」を加えたスペシャルEP。『LOVE SCULPTURE』リリース20周年、そしてはっぴいえんど結成50周年の、記念すべき12インチ・リリースです。

和製ロック・クラシックとして名高いオリジナル曲を忠実に再現しながらも、よりサイケデリック/ガレージ感のあるアレンジでカーネーションらしさも楽しめる傑作カバーに仕上がっています。特典として「かくれんぼ」のダウンロードコードを封入。カーネーションファン、はっぴいえんどファンともに必携の一枚です。なお、本作はアナログ盤のみでのリリースとなり、CD等別フォーマットでの発売はありません。

【直枝政広コメント】 
今年、2020年は『LOVE SCULPTURE』発売20周年にあたる年。その記念に何かできないかと思ってはいたのだけれど、新型コロナウィルス感染症の流行で何もできず、それならばと企画が上がったのが『カーネーション sings はっぴいえんど EP』だ。 
 1999年11月9日。カーネーションは川勝正幸さんのお声がけで松本隆 作詞活動30周年記念ライブ "風待ミーティング" に出演した。場所は渋谷ON AIR EAST。ぼくたちはその2日間に渡るイヴェントのトップバッターだった。披露したのは、はっぴいえんどの「春よ来い」「抱きしめたい」「12月の雨の日」「はいからはくち」の4曲だった。
 カーネーションはアルバム『LOVE SCULPTURE』の録音中だったこともあり、ある日、ひと通りの作業を終えた後「せっかくだから、この間やったはっぴいえんども録音してみよう」となった(「12月の雨の日」は録音せず)。疲れで身体はくたくただったが、ダビングなしの一発録音で、と心を決めてのテイク。エンジニア植松豊による渾身のセッティングもあって、これがどうして中々の出来映えとなり、シングル「恋するためにぼくは生まれてきたんだ」のカップリングに「春よ来い」を収録することになったり、販売促進用の8cmシングルにも「はいからはくち」が選ばれたりもした。アナログ盤のみで発売された『LOVE SCULPTURE II』には「はいからはくち」「抱きしめたい」の2曲が収録されている。
 はっぴいえんどがぼくたちの音楽性のルーツにあることはもちろんだが、カーネーションの90年代後期、5人時代の熟しきった演奏をダイレクトに記録できたこのカヴァー音源を再び『LOVE SCULPTURE』発売20周年記念のアナログ盤としてまとめるアイデアは悪くないと思った。ただしやるなら新録音もという条件付きで「かくれんぼ」に挑戦した。前回のように勢いだけではなく、スティーヴン・スティルスばりの大瀧詠一氏の声色を意識しつつ、譜割りを完全に踏襲して歌ってみた。カーネーションのいまのところ一番新しい音がこれになる。ドラムスは張替智広。GOKの近藤祥昭によるアナログ録音でミックスは原真人。シンプルで余裕のあるたっぷりとしたサウンド、この久しぶりのスタジオ作業の手応えが今後のサウンドにどう繋がってゆくのかが自分でも楽しみだ。
 そして、ぼくたちはこの33回転4曲入りのアナログ盤やいくつかの新曲と共に東阪ツアーに出る。タイトルは『LOVE SUITE』(愛の組曲)。サポートに張替智広と伊藤隆博を迎えての4人編成を軸に、まさに今、様々な面白いアイデアを探っているところだ(続報を待て!)。もちろんコロナ対策は万全な最高のライヴをお約束する。会場でお会いしましょう。 直枝政広

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アナログ・レコードを聴くにあたって

アナログ・レコードはアナログ・マスター(磁気テープ)、もしくは近年ではデジタル・マスター(通常、CDより高いサンプリング・レートのハイレゾWAVファイル)から作ります。音質や音量、曲間の調整(マスタリング)をし、カッティング。そこでラッカー原盤が作られます(本作はアナログ・マスターから起こした96khz/24bitのハイレゾを使用しています)。それを元にいくつかの工程を経て凹型の<マザー>から量産プレスが可能な凸型の<スタンパー>が製造され、まず最初にテスト盤が出来上がります。

レコードの内周は物理上、音溝が狭くなりますので、長時間収録のレコードの場合は稀に針とびを起こすことがありますが、本作は33回転で片面に2曲づつ(10分以内)を収録。音溝には十分な余裕を持ってカッティングをしています。音量は通常のレコードより多少大きめにしてありますが、テスト盤のチェック<SHURE M44 針圧2.6g>では歪みも針とびもなく、メーカーにおける商品の再生チェックも正常で問題ありませんでした。ちなみにテスト盤のチェックでの修箇所がなかったので、ぼくが聴いた盤と皆様が手にする初回盤レコードは同じスタンパーからプレスされたもので、刻まれた溝は正常であるというあることを認識してください。

再生機の機種によってアームの特性が違いますから、好みの音のカートリッジに換えるたびにその針圧の設定をします(その調整方法は検索で可能、YouTubeを参考になさってください)。お使いのカートリッジによって針圧は変わってきますので、取扱説明書かインターネットで型番を検索し、適正値になるように調整してください。安価なポータブル・プレーヤーですと針圧の変えられないものがありますが、そのような機種での不具合に関しては、こちらもお手上げということになります。12インチを置くと外周がはみ出るような小型のプレーヤですと針とびを起こすかもしれませんので、そのような場合はヘッドシェルの先に1円玉を載せるなど工夫してみてください(※1)。

再生にあたっての注意点をいくつか。まず、プレーヤーは振動しない強固な台の上に必ず水平に置いてください。プレーヤーと同じ台にスピーカーを乗せると音の振動で針とびを起こしますのでセッティングは慎重に願います。例えば、プレーヤーの裏側の4隅にある足(インシュレーター)の下に、厚手の生ゴム(ホームセンター等で安価に買えます)などを置き、振動を吸収させるとさらに音が安定することもあります。スピーカーも同様で、スピーカー・スタンドやブロックなどを使用し、振動を抑える必要があります。

レコードの洗浄については様々です。ご自分のやり方を探してください。針先には埃が溜まりますので、その場合は市販のスタイラスクリーナーかメラミンスポンジ(※2)を使うのがお薦めです。あと冬場は静電気で思わぬノイズが出ますので注意です。除電に関しては湿式のクリーナーや除電ブラシ等を使用しますが完璧に無くすことは難しいです。あと、レコード盤をストーブなどの発熱器具の近くや、直射日光の下に置くとソリが生じ、正常な再生ができなくなりますのでご注意ください。


(※1)湯浅学さんから<ヘッドシェルの先に一円玉を2枚載せると良い>との情報もいただきました。<安価なプレーヤーだと音圧にカートリッジとアームが負けてしまうことがあります>とのことです。
(※2)必ず奥から手前の一方向へ軽くこすること。

参考資料
曽我部恵一くんのブログ

直枝政広 


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