2009年6月アーカイブ

ナオエのドンキー日記 2009 6月

6月30日
 寝不足のまま六本木でミーティング。おいしいサンドウィッチのある喫茶店発見!「貴奈」という店。Mサイズを半分食う。18時頃に西荻窪に移動してモス・バーガーをちょっと食ってからスタジオでレコーディング用のプリプロ。いい感じ。今日はなんだかゆるずが熊の大きなぬいぐるみのように見えた。とても立派だ。で、終了。へろへろで品川。ざるそば食って早めに寝る。9時間爆睡。

6月29日
 そのまま徹夜。昼前にようやくCMデモの2曲目を終え、送信。それから寝て、起きてからの記憶が飛んでしまった。そういえば「TVタックル」は観たな。新曲3曲の譜面書き。CMの決定映像が届いて確認。あとは画面にあわせて手直し。ほっとしたとたん、別件の連絡あり。急ぎでやっとかなくちゃ!な『耳鼻咽喉科 Anthology BOX 1981-1983』CDのボーナス・トラックの最終絞り込みに入る。そのデータ読み込みと書き出しでてんやわんや。このところ飯もまともに食べていないけれど、一応なんとか生きている。

6月28日
 CMデモ。まずはスケッチ一つを送信。その時点で朝8時。ちょっと寝て、スタミナをつけるぞというわけで雨の中を歩いて薬膳カレー。普通盛りの3分の2。習慣とは不思議。医者は地元情報が一番ゆえ、おすすめの歯医者さんを紹介してもらってさっそく窓口で予約。電車で西荻窪。BGMはカール・リヒター指揮『マタイ受難曲』。何かあるたびに聴く。いや、たいていは頭がいっぱいいっぱいの時だが...。今日は西荻ブックマークで『昔日の客』の日。関口直人さんと岡崎武志さんがミーティング中の喫茶店でアイスコーヒー。シロップとミルクの合うおいしいコーヒーだった。本番。歌あり、笑いあり、いい話連発。岡崎さんは読むの馴れていらっしゃる。関口さんも上手。マル秘ゲストで朗読をと依頼されていたので「日本近代文学館の地下室」を選んで読む。朗読など生まれてはじめてでがちがち。関口良雄さんの詩「自画像」に曲をつけた関口さんの歌がまたよかった。この曲おれも覚えたいと思った。音羽館広瀬さんを中心とするスタッフの方々に感謝。心のこもった素晴らしい企画だった。打ち上げはすごくおいしいイタリアン・レストラン。「風狂の人・山王書房店主 関口良雄」の萩原茂さんと上林暁に関するあれこれ夢のあるお話。石神井書林内堀氏、天誠の和久田氏などと同席。気持ちよくワインを飲みながらお話をいろいろうかがって、お先に失礼する。デモをあと一曲、今夜中に作らないとならない。ソファで2時間ほど仮眠してから作業。

6月27日
 徹夜のまま速攻で以前行っていた歯医者さんを10時に予約し、酒も少し残っているけど行ってみてもらう。そして何時間か寝てから蕎麦屋。一体、週に何回蕎麦を食うのだおれは。とにかく作業に入る。夜中に1曲。2時すぎに関口直人さんから電話。明日の朗読何にするかでしばし深夜会談。「いま練習中なんだけど嫁の方が上手でねぇ」なんて関口さん笑う。

6月26日
 朝、原稿を書き終え送信。するとマイケル・ジャクソン死去のニュース。50歳、それも乙女座。重い。もう、悲しい話はいらない。やめておくれという感じ。特に乙女座にとってはずっと残酷な星回り...まったく...。はじめて買った洋楽シングルはマイケルの「ベンのテーマ」かウィングス「ハイ・ハイ・ハイ」...。懸念だった歯がだめになって少し落ち込むが美容院に行ってすっきり。事務所に寄ると青山陽一くんがHくんたちと何やらミーティング中。恵比寿に移動。蕎麦屋に飛び込んであたふたと半分くらい食ってからDISHの事務所で川村さんとCM曲の打ち合せ。急遽ワウ・ペダルが必要になり西荻まで機材をとりに行く。古書音羽館の均一棚で『ミュージック・マガジン』72年8月号(なんとトッド・ラングレン「瞳の中の愛」の楽譜や訳詞が載っている!)とスカーレット・ヨハンソン『彼女が愛される理由』を購入。すでに店主の広瀬さんはいなかったが、とにかく品揃えもいいし23時頃まで開いているなんて。最高のお店。落ち着く店で飲んでからファミレスでピザ食って始発待ち。

6月24日
 マッサージ。担当のNくん(23歳)に「痩せましたねー」と言われた。尻周りが特に小さくなっているらしい。原稿を書くために鈴木慶一さんの新譜『シーシック・セイラーズ登場!』のサンプル盤を聴く。挑戦的な音楽なので聴き込まないと。さて、平常心で作業に戻る。今回の新曲に限って、外付けHDDに保存した途中段階の曲ファイルには日付しか書いていない。完成していない曲に対しては好きでも嫌いでもない気持ちをなるべく持ち続ける。占いのように選んで開いた曲をいじるのだが、それで変わるし進む事が多い。今日は先日の、つまりアンダーグラウンドな曲スケッチを選んでしまったので、調子に乗ってヴィオラのフレーズを重ねて入れていたら奇妙なアンサンブルが生まれた。集中もいいのだが気がついたら昼の11時だ。コーヒーいれたりしてこれを書いていたら12時。

6月23日
 完璧な寝不足。夏日。めずらしく空がまっ青。朝食を半分食ってから午後、代官山。オーガスタにてミーティング。本日二度目のオープンカフェにて時間あわせ。アイスコーヒーをがばがば飲む。同じ代官山のデザイナー黒田氏の事務所に移動、カーネーションの2枚組ライヴ盤のブックレット打ち合せ。写真がふんだんに使われた贅沢な内容。ちょこっと長椅子を借りて仮眠、のつもりが楽勝で1時間以上寝た。作業確認後、黒田氏と横尾と3人で恵比寿の居酒屋でおいしいお魚で軽くビール。佐野郷子さん合流。最終までもうちょいいきますか、ということでセイリン・シューズに移動。コステロとポリスの競演映像(Cream「Sunshine of Your Love」!)を眺める。疲労困憊にてもう飲めないのでコーヒー。入れ替わりでお店に来られたEPOさんにナミオカさんが紹介してくださる。大井町から歩いたら湿気がすごくてデニムが重く感じた。実家で2時間きっかり寝てすっきりで高速。雨が強く降り出す。卵かけご飯としそこんぶをたらたら食って。朝まで原稿の校正等。

6月22日
 朝日美穂さんと連絡がつき約7年ぶりで少しお話をした。「乙女座どうよ?」とか。夕方に焼きそば食って、あとは流れるようにすいすいと作業。こういう日もあるか。ひとつはメモのつもりがリズムと仮歌までいく。アングラなカントリーというかヴェルヴェットとバーズの合体というか。こういうはみ出し者もちょこちょこ作っておかないとおれの場合は先に進まないわけで、いわば毒出しの1曲。あとは長引いた曲に仮歌入れてまとめたり、昨日の曲のオケをミックスして気分盛り上げたり。深夜の高速で伊集院光のポッドをにたにたしながら聴く。先日、冷蔵庫に何個かあったハーゲンダッツをおふくろがいつのまにか全部食べたと親父が笑っていたのを思い出し、コンビニで買ってゆく。実家で頭洗っていていつもの場所の無添加のトリートメントに手をのばすと何か手触りが違う。よくみると小振りな「洗顔フォーム」。周囲にトリートメントらしきものが見当たらないから、おそらく親父は知らずにこれを髪につけているんだろう。あ~あ。まぁいいけども。午前3時にいわしの煮付けとしそこんぶでおにぎりを1ケ。

6月21日
 大雨が降っていたようだが相当疲れていて夕方まで寝てしまった。寝過ぎて腰が痛ぇ。作業場の湿気がすごいから除湿器をつける。早く冬が来ねぇかな...。ステレオの針圧調整して、妙に音のバランスの良いシカゴ「イントロダクション」(ベスト盤『栄光のシカゴ』)と、春先にディスクユニオンの特典対談用で買ったThe Weavers『Travelling On With The Weavers』を両面聴いてなごむ。すると本秀康くんのポップでハッピー(ホッピーではない)な顔を思い出したので次はジョージだ!と思って『ゴーン・トロッポ』のLPを探すが出て来ない。いずれにせよほとんど聴いた記憶のないアルバムである。もし持っていなかったら本くんにものすごく怒られると思い、探索から逃避してアイスクリームを食べたら閃きが。お蔵入りしていた短い曲デモのファイルを古い外付けHDDからコピーし、あらためてポップ・ソングの長さにエディット。するとトッド風の4分弱の超ポップな一曲ができあがった。もうけた。

6月20日
 先週から食べ方でちょっとした工夫をしたら胃が小さくなってあっという間に体重が減った。これは画期的。ずぼら読書で庄野潤三『インド綿の服』(講談社文芸文庫)をパラパラと。馴染みの蕎麦屋で最高のカレーそばを食ったりして気を上げる。ところで、日々の作業が深すぎて、寝てもさめても途中段階の曲が頭ん中に流れてばかり。だからストーンズ『メインストリートのならず者』やキンクス『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡』などをLPで爆音で流すのだが...。開き直って今日は原稿の日とする。ファンクラブ限定ライヴ盤のライナーノーツや会報インタヴューの編集。

6月19日
 気晴らしで夕方に品川へ。おふくろの店で最高のアイスコーヒーを飲む。店にはヤマジュンの母もいて小さなボックス席で寝っころがりながら携帯メールを打っていた。おれもぼうっとしてたら「そうだもうすぐ50歳だ。今年の夏は浴衣でも...」なんて思った。親父が炊飯器のスイッチを押し忘れたから夕飯は遅めになった。腹が減っても別に大丈夫、というか近頃は食うこと自体が面倒くさくなっている。中トロ刺身と煮たトコブシを食ってから、早めに帰路につくが、そこいら中の道路で水道工事。車中は柳家小三治の「らくだ」。この噺は1時間以上ある。

6月18日
 バンブル金野くんに電話。座骨神経痛でつらそうだったので励ます。お大事に。丁度、そのくらいの年齢で長年の疲労が出てくるんだ。おれもそうだった。日が変わる頃、ケラ(ケラリーノ・サンドロヴィッチ)くんからうれしい連絡が入る。

6月17日
 ここ1年近く通っている馴染みのマッサージでかなり軽くなる。その近所の蕎麦屋で冷やしたぬきそば。乙女座の中の乙女座なんでなるたけ乙女な切り花買って生けて、ほったらかしていた観葉植物にも水。会報原稿読んだり訂正入れたり。さぁ、曲だよ曲。

6月16日
 デモ。ベースをたくさん弾く。ゆるずから借りたプレジションのネックがここにきてだいぶ手に馴れてきた。今日はアコギ・トリオ風のかたちで一旦作業を終える。そしてヴェンチャーズのベーシスト、ボブ・ボーグルが亡くなったというニュース...。13歳で生ギターを手にし、仲間と集まって初めてギターの合奏をしたのが「パイプラン」。おれに与えられたパートが彼の弾いたベースだった。

6月14日
 大雨。曲はあっちいったりこっちいったり。長引いていた曲デモに歌詞を書いて歌入れ。停滞していたもう一曲にハミング入れ。とにかく前に進むしかない。ここ4日くらいで去年からずっと動かなかった体重がぐっと減り始めた。

6月13日
 晴れ。浅草以来、身体もなかなか調子のでない感じの嫌な一週間だったなぁ。というわけでいつもお世話になっている美容院でリフレッシュ。不思議と古いナッシュヴィル・サウンド(ジョン・ハートフォードとか)も似合うおしゃれなサロンである。そのままめし飲み。電車ではUncle Tupelo『MARCH 16-20,1992』を聴く。

6月8日
 雨の予報も実際はくもり。出かけるまでに時間があったので親父と清水宏『小原庄助さん』のDVDを観る。そしてぶらっと散歩。岡崎武志さんのブログで知った鮫洲の古本屋さんに行き1時間ほど本と戯れ、植村達男『本のある風景』(口絵の小出楢重「枯木のある風景」がじつにいい)とロジャー・コーマンの例の長いタイトルの本を購入。その後、事務所で徳永雅之くんとスタッフで耳鼻咽喉科のBOX仕様のミーティング。長い会合の後でタワレコに寄るが閉店前の1時間じゃあせっちゃって何も買えず、かなりもやっとする。ソニック・ユースの新譜『the eternal』が届いたので聴く。

6月7日
 Wilcoの新譜はLPで予約。独プレス盤でまたもやCD封入。この形態ほんとに最高だ。でも彼らは歌詞も面白いのでねぇ、訳詞目的で国内盤CDも買うことにはなるだろうが...。さて、名古屋TOKUZOの森田さんに頼まれていたマンスリー・ピックアップ用のコメントを書いて送信。夜中に品川に移動。局地的な大雨を走り抜ける。やけにでっかいトラックが多いし、何故か怖くて直進したくないと思い、遠回りでもいいやと左折したらちょっと先は道が濡れてもなく晴れていた。

6月6日
 天気予報は当らず、くもりのち晴れ。昼、金町のワカナ堂をのぞく。中学の時に最初のフォーク・ギター(8千円のモーリス)を買った店で、当時ヴェンチャーズやビートルズ、ボブ・ディランのLPをわくわくしながら買ったのもここ。たまに懐かしくなってふと訪れたくなる。買いそびれていた三木のり平主演『誰よりも金を愛す』の廉価DVDを見つけて購入。今日もファンクラブ会報『サウンドファクトリー』創刊100号記念用の取材。大田譲の特集はなんと「浅草」。もちろん浅草までは京成金町から高砂経由というちょっとレアな"これぞ東京下町"コースを選んだ。雷門に編集スタッフ集合。まずは観光客のようにそこで記念撮影。ゆるずがおすすめの木馬亭(渋い!)にて生まれてはじめての浪曲を鑑賞。98歳の木村若友、90歳の五月一郎がやんちゃで見事。節の時のほうがストーリーがよくわかった。浪曲って面白い。その後、恒例のガチンコ対決。ホッピー通りで軽く飲んでいたら急に腹が痛くなり、貧血で顔が真っ白になる。一時間ほどゲームセンターのトイレにこもって冷や汗たらたら。みんなにすげぇ迷惑をかけてしまった。隅田川近くの松屋デパートの階段を上るとホームがある。東武伊勢崎線の堀切から牛田の間は真っ暗な土手の横を走る。正露丸飲んだら腹は治った。満月の日には何か妙なことが起こる。

 

6月5日
 大阪イヴェントの時にKさんからプレゼントされた本『証言! 日本のロック70's ニューロック/ハードロック/プログレッシヴロック編』をようやく読み終えた。これ、すごく面白かった。 原口くんからでかいWAVファイルが届く。ライヴ盤の音質チェック第一弾。夜、珍しく頭痛と微熱が。バファリン飲んではやめに寝る。

6月3日
 吉祥寺。ファイテンに寄ってからバウス・シアター。boid樋口さんも元気そうでなにより。今日の弾き語りはエレキ。アンプの目盛りをいつもより4つあげた。おれの真空管アンプは鳴りまくり。いままさに絶好調な状態だが、それをとばす覚悟の爆音。リハを汗だくで終えてから美容院のMさんに髪をセットしてもらう。やっぱり、しゅっとした。これで大丈夫だと思った。平日にもかかわらず、お客さんも予想外に来てくれたのでやりやすく、演奏に集中。7曲にたっぷりとフィードバックに思いを込めてジャスト1時間。歌も演奏もその空間と音質でがらっと変わる。今日はステージの足元にモニターなぞない。あんなに広い空間なのに、爆音スピーカーからの出音をたよりに歌う。しかしそれでも歌える不思議。60年代はディランだってビートルズだってそうやって歌っていた。気持ちいいのでまるでギターを担いで空を飛んでゆくようだった。映画館で歌えるなんてめったにない贅沢だ。またエレキ弾き語りの新たな手法をつかんだ貴重な一夜。至福の時だった。楽屋に本秀康夫妻と湯浅学さん来訪。そういえば今日、特別に持って来た7月のソロ公演『モナレコードの直枝政広 "TANKS AND CHILDREN 2009"』の先行手売り分のチケットが即完売とのこと。新装開店のモナではアコースティックとエレキの二部構成でたっぷりやろうと思っている。本くん差し入れの白い鯛焼きがまるで餅の食感でとてもおいしかった。カメラマンの鈴木淳哉くんから彼が表紙の写真を撮影した雑誌『nobody』をいただく。「この橋、"宇宙の柳"の世界です」。光がこっちを向いている。鈴木くん、眩しい仕事しているねぇ。...そして映画『アイム・ノット・ゼア』を爆音で体験。音が耳に張り付くたびに泣けたし、その生々しさにいちいち身体が揺れた。HくんとNさんとYさんと飲み。朝まで飲んでシメはうどん。

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直枝政広
カーネーションのバンマス

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New Maxi Single 『ジェイソン』
2009.4.15 release


『宇宙の柳、たましいの下着』
直枝 政広


『HOPKINS CREEK』
直枝 政広